ホテルパティシエってどうなの?長時間労働?〜パティシエとして9年働いたリアルを書きます〜

この記事は前回の続きです。前回の記事はこちら↓

パティシエって儲かるの?

今回は私がホテルパティシエとして働いて感じたメリット、デメリット、労働環境などについて書きたいと思います。これからパティシエを目指す方の選択肢の1つとして少しでも参考になればと思います。

私は今まで3つのホテルでパティシエとして働いてきましたが、専門学校卒業後から4年間働いたホテルについて書きたいと思います。今の私の仕事のベースとなっている経験です。

1.ホテルのパティシエの仕事

まずは労働時間についてですが

結論から言うと

長時間労働は当たり前です。。。

ただこの長時間労働、今となっては良い経験だったのかなと思います。

と言うのもパティシエの仕事は経験の積み重ねです。私の場合、入社して間もない頃から様々な仕事を任せてもらいました。はじめの1年の経験値としては同期の中でも1番だったと思います。

ただ仕事を任せてもらうには、信頼を得る必要があります。終業後に練習・勉強・1日の反省は必須です。

もちろんただ言われた通りに仕事をして、終わったら帰ることも可能ですが、それでは新しい仕事はもらえません。

同じような仕事と雑用の毎日で終わりです。実際に何人もこのような人がいましたが単純作業の毎日に耐えられず、辞めてしまう人が多々いました。

私が恵まれていた点としては、

「しっかりと報告、連絡、相談すれば終業後に何をしても良い」

という環境だったことです。

例えばシュークリームの仕込みを勉強したい時には

勉強したい旨と使う材料を報告→
許可をもらったら終業後に作ってみる→
翌日うまくできているかを確認してもらう→
うまくできていれば次からの仕込みを任せてもらえる

という流れです。

もし失敗していたらどうするのか?

結論は失敗の原因を見極めた上で、アレンジして他のお菓子にしてしまう。

例えば、

シュークリームがうまく膨らまなかった→
薄くスライスしてラスクの材料にする→
ビュッフェのデザートコーナーのメニューにする

と言った感じ。

ホテルのメリットとしては、ショーケースで売るレベルには達していないケーキをアレンジして他の宴会やパーティのデザートとして提供できる点です。

この経験はケーキ屋ではなかなか体験できないと思います。

もちろん成功体験も必要ですが、パティシエについてはこの失敗→反省→アレンジの経験の方が得るものは多いと思います。

2.ホテルのパティシエのメリット

・圧倒的な仕込みの多さ

私が働いていたホテルは、多いときで1日に1000名以上のデザートを連日作らなけらばならない環境でした。

新人だった私にとって、とにかく作りまくる環境は技術を磨くには最適な環境だったと思います。入社後1年でお菓子作りの基本的な技術はほとんど習得できていたと思います。

・多くの人脈を得られる

私が働いていたホテルは従業員が200名以上いました。出入りする業者もかなりの数です。

その中でパティシエとしてのメリットは料理人と一緒に仕事ができる点です。特に、レストランのコースデザートを作る際は、料理の流れやコンセプトを料理人の方と話しながらメニューを決めていきます。この経験はケーキ屋ではできない経験です。

また職場を変える際に料理人の方を通して、レストランや他のホテルを紹介してもうこともあります。

私は紹介していただいて、沖縄で働くことができました。

・相談相手が多い

ホテルには様々な部署があり、それぞれに同年代の仲間がいます。同じ部署ではなかなか相談できないことを聞いてもらえる環境がありました。

特に同じ年に入社した同期は、お互いの部署の悩みをぶつけ合うことでストレスを解消したり、落ち込んだ時に励ましあって辛い仕事を乗り越えたりしていました。

・ウェディングケーキを作れる

私が働いていたホテルは多いときで月に20件以上の結婚式がありました。

特注のデザインケーキも多く、時には直接打ち合わせをしてデザインを決めることもありました。

一生に一度の式のケーキを任されることはプレッシャーも多いですが、自分の感性をフル活用して作るケーキはとてもやりがいがあり、直接お礼を言われることも多く、仕事を続ける上で大きなモチベーションになっていました。

3.ホテルパティシエのデメリット

・雑用も多い

仕込みの多さをメリットとして挙げましたが、その分雑用や下準備も多くなります。

フルーツを1000個単位でカットする。100名単位で盛り付けをする。などなど、単純作業もかなり多いです。これが苦手でやめる人も多いです。

また大量のデザートとなるとあまりこだわった複雑なケーキを作ることができません。

レストランデザートに関してはレベルの高いものを提供していましたが、新人のうちはなかなか関わることができませんでした。

・苦手な人とも一緒に仕事をしなくてはならない

従業員が多いと言うことは、気が合わなかったり、苦手だなと思う人と出会う可能性も高いです。

時には嫌味を言われることもありました。中には新人だからと言うだけで高圧的に接してくる人もいます。私は「実力をつけて見返してやる」と思いながら受け流していましたが、耐えられず辞めてしまう人もいました。

ホテルパティシエの労働環境のまとめ

私がホテルのパティシエとして働いた経験をご紹介しました。もちろんホテルのレベルや地域によっても環境は変わるので1つの参考としてもらえればと思います。

パティシエ業界はブラックだと言われてきましたが、近年の働き方改革の流れから労働環境は大きく変化しています。特にホテルパティシエは安定した収入と労働時間ということで若者に人気のようです。

私もホテルパティシエとして働いている理由は、やはり”安定している”という部分が大きいです。

ホテルパティシエの求人が見つからない場合は、飲食専門の転職サイトや大手の転職サイトで見つかる可能性があるので、相談してみても良いと思います。

飲食専門の転職サイトと、飲食業(料理人・調理師・パティシエ)におすすめの副業を別の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。⬇︎

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