チャットモンチーが残した3ピースバンドの系譜。Hump Backから新鋭Hakubiへ

2018年に惜しまれながら”完結”したチャットモンチー。

私は学生時代、毎日チャットモンチーを聞きながら通学し、バンドに憧れ、同じ色のテレキャスターを買い、「恋の煙」をコピーしました。

まさに私の青春。チャットモンチーが完結を発表した時、青春が終わってしまう寂しさと共に、私も新たなことに挑戦しようと意欲が湧きました。

”青春”を受け継ぐ"Hump Back"

今注目集めている3ピースバンド

Hump Back

Hump Backはチャットモンチーに憧れ、コピーバンドから始まり、チャットモンチーのトリビュートアルバムに参加。

ラストとなった「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018~みな、おいでなしてよ!~」では2日目のトップバッターとして登場しました。

そのライブでG/Voの林萌々子さんは言いました。

チャットモンチーは夢と青春全て

そしてこれからはHump Backが誰かの青春になる

この『誰かの青春になる』という言葉を表したような楽曲があります。

私は冒頭から鳥肌でした。Hump Backの楽曲は若者に向けたメッセージソングが多いように感じます。

そして私はあまり音楽について詳しく解説することができないのですが、Hump Backの楽曲には”らしさ”を感じます。この”らしさ”というのを感じたのがトリビュートアルバムに収録されていた「湯気」という曲を聞いた時。

チャットモンチーの「湯気」をほぼ原曲のまま演奏していると思うのですが、Hump Buckらしさとチャットモンチーへのリスペクトを強く感じました。

”Hump Buck”から”Hakubi”へ

そんなHump Backに憧れ、Hump Backのコピーから始まったバンドが

Hakubi

というバンド。結成は2017年で、まだまだ若いバンドですが、2019年に全国流通が決定した今注目のバンドです。

Vo片桐さんの弾き語りで磨かれた、歌唱力と、ライブで見せる3ピースとは思えないほど圧倒的な音圧が魅力です。

Hakubiを初めて知ったのはYoutubeでした。

最初の印象ですが、まずVo片桐さんの声に魅了されました。曲については私の語彙力では伝えるのが難しいのですが

「青臭さがありながら奥底に感じる真の強さ」

意味分からないですね。うまく伝えらえる方がいればぜひ教えて欲しいです。

HakubiとHumpbackのエピソード

2019年の1月31日、大阪のBRONZEというライブハウスの5周年祭のライブでHumpBackとHakubiが同じ日に舞台に立ちました。このBRONZEというライブハウスがHump Backのホームみたいです。

この日はの出演はHump back、Hakubi、OCEANSの3バンド。

結果的にHakubiはこの日、先輩である2バンドに圧倒的な実力差を見せつけられる形になります。このことは本人たちも開演前から感じていたようで、1組目として登場したHakubiのMCでVo片桐は

「もう2度と同じ舞台には立てないかもしれない」

と言っています。

私も会場で見ていましたが、素人目にはいつもの不器用ながら全力で伝えようとするいつものHakubiが見られて良かったのですが。。

2組目で登場したOCEANSがホームであるHump Backを飲み込んでしまうのではないかという勢いで会場を魅了し、それを超えるような盛り上がりで貫禄を示したHump Backを見て

「こんなにも違うのか」

とHakubiを応援していた私も少し落ち込みました。

そして後々、伝説として語り継がれるであろうエピソードが生まれます。

Hump Backの演奏終了後、会場からはアンコールの手拍子が起こります。しかしこの日はあくまで3バンドの対バンでそれぞれのバンドに平等に時間が与えられているライブです。Hump Backもそれを理解し、普段では演奏はしません。

しかし、再び登場してVo林萌々子さんが話し始めました。要約すると

”普段はアンコールはしないけども、少しだけ時間をください。自分はチャットモンチーに憧れて、チャットモンチーのコピーバンドから始めた。そして自分たちの楽曲でライブできるようになった時、「Hump Backのコピーをしてます」と言って現れたのがHakubiだった。”

「もう2度と同じ舞台に立てないとか、そんな寂しいこと言わんといて」

そして演奏されたのが

「ヒーロー」という曲。

私、会場で号泣してしまいました。

林さん自身も過去にバンドメンバーが次々と脱退し、バンドが続けられないかもしれない危機がありました。

チャットモンチーもDrの高橋久美子さんが脱退するという危機がありました。

結果的にチャットモンチーは2人で活動を続けるという選択をします。

あるライブで「恋愛スピリッツ」という曲を、ギターをループで流し、ドラムを叩きながら歌ったこともありました。

様々なサポートメンバーを加えながら今までのチャットモンチーよりもさらに進化した姿を見せてくれました。

このことについて林さんが語ったことがあります。上にも書いた「誰かの青春になる」の前の言葉です。

チャットモンチーは10代の私にバンドの面白さを教えてくれたし、、、

メンバーがいなくなって、、

メンバーがいなくなった20才の私に、続けることのかっこよさを教えてくれたし、、、

それから、今24才私に、バンドの美しさを教えてくれました。

チャットモンチーは私の青春の全てでした

散々、夢をもらって

散々、青春をもらったので

私は、このバンドで誰かの青春になります。

バンドを続けるということは、私たちでは想像できないほどの苦悩があるのではないかと思います。

それを乗り越えてきた林さんだからこそ片桐さんの少しネガティブな発言に対して、続けていればまた同じ舞台に立てるし、そうなってほしいという思いがあったのだと思います。

おそらくこの日のライブは、これからさらに飛躍していくであろうHumpBackとHakubiそしてそれを応援する方達にとって忘れられないライブとなったと思います。

それから3ヶ月、全国流通が決定したHakubi

表題曲の光芒を聞いた時に、「あれ?何か変わった」と感じました。

このことについては5月の鹿児島のライブのMCで聞くことができました。

今までは、どちらかというと自分たちの思いを一方的に伝えるだけになってしまっていて、「光芒」という曲はもっと幅広い層にメッセージを伝えることを意識して作った曲なのだとか。

しかし、Hakubi、特に片桐さんのことを知っている方は感じると思いますが、この選択は相当な葛藤があったのではないかと思います。

歌詞の中にも

心を無くせば強くなれるの?

弱さを隠せば強くなれるの?

僕らの証が消えてゆく

とあります。

Hakubiの代表曲である「夢の続き」についても、

多分Hakubi知ってくださってる方は夢の続き聴いてきっとこんなバンドだろうなって考えてくれていると思うんですが、多分それ違います。

と片桐さんがツイートしたことがありましたし、

Dr.のマツイさんも

夢の続きだけ聞いてあぁこのバンドいいってなってくれるのはすごい嬉しいです
でも僕らには辿るとかSommeilとか賽は投げられたとかまだまだいい曲があります
ライブハウスで演ってる僕らを見て確かめてください
でもHakubiをいいって感じてくれたその衝動だけは絶対間違いじゃないことを約束します

とツイートしていました。

彼らがやりたい音楽と世間や周りの大人が求める音楽の違いがあり、葛藤があることが分かります。しかしその葛藤こそが若者たちに共感される要因なのかなと思います。

2019年以降さらに加速していくであろうHakubi。

人気が増していくのは嬉しい反面、少し寂しさもありますがこれからも陰ながら応援していきたいと思います。

HumpBuckの「ヒーロー」はこちらのアルバムに収録されています⬇︎

チャットモンチートリビュートはこちら⬇︎

Hakubi初の全国流通「光芒」はこちら⬇︎

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