パティシエの「働き方改革」は可能なのか?現役パティシエが長時間労働について考えてみました。

2019年話題となったワードに「働き方改革」という言葉があります。

私は鹿児島で働いているパティシエなのですが

長時間労働・低賃金が当たり前のパティシエ業界には関係ないだろうなぁ。。。

と特に詳しく知ろうともしていませんでした。ただ、最近見たネットの記事で「パティシエ業界の働き方改革」を取り扱っている記事を目にしました。

東京のお菓子屋さんでは

【働き方改革の影響で若手の育成に苦労している】

という内容だったのですが、この流れが地方にも浸透してくるのも時間の問題なのではないか?と思い、「パティシエの働き方改革」について考えてみることにしました。

働き方改革とは?

まず今まで目を背けていた「働き方改革」とは何なのか?という根本から知っていきたいと思います。

以下はボーグルというサイトの「5分で分かる『働き方改革』とは?取り組みの背景と目的を解説」という記事の一部です。

「働き方改革」とは、働く人びとが、ここの事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革のことです。

近年日本が直面している「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や、「働くスタイルの多様化」などの課題・変化に企業は対応していく必要があり、そのためには生産性向上や従業員満足度向上を実現する環境づくりが求められてきています。

以上「5分で分かる『働き方改革』とは?取り組みの背景と目的を解説」から引用。

目的としては、少子高齢化により減少傾向にある労働力人口を確保するための改革のようです。

深掘りしていくと、キリがないのでパティシエに関係しそうな「長時間労働」の部分をピックアップして考えてみたいと思います。

若手の長時間労働の改善

「働き方改革」による長時間労働の改善はパティシエ業界にとって良い面もありましたが、逆に若手を育てにくい環境にもなりました。

パティシエは所謂「職人の世界」で、数年前までは理不尽とも思える暗黙のルールが多々ありました。

  • 先輩が帰るまでは帰ることができない
  • 出勤時間の1時間前に出社

などは例ですが、若い職人は無意味な拘束時間に縛られていました。近年は改善傾向にありましたが、「働き方改革」によってさらに堂々と若手が主張できるようになりました。

と同時に指導する立場としては、若い職人を指導するのが難しくなったのではないか?と思います。私もそうでしたが、技術習得をするために居残りで練習したり、勉強したりして職人として成長してきました。

向上心のある若者であれば自主的に練習しますが、そうでない者については指導者がある程度強制して練習させることになります。

この時に「働き方改革」を盾にされることで、強制するのが難しくなりました。

人材不足の今、向上心のある若者だけを雇うというのも難しいです。

中堅層の長時間労働の改善

働き盛りの中堅層の長時間労働の改善は、パティシエに限らず多くの職種の課題と言えます。

私も中堅と言われる年齢となり、ある程度責任のある仕事を任せられるようになりました。同時に後輩の育成もするようになり、仕事の負担は増えました。しかし個人的にはやりがいを感じていますし、将来のための投資として考えています。

しかしこの状況に納得できず、パティシエを辞めてしまう方が多いのも事実です。

中堅層の離職率が高い理由についてはこちらの記事に詳しく書いています

この中堅層の長時間労働の改善については、業界全体で考えていく必要があると思います。

パティシエ業界の働き方の提案

パティシエ業界の働き方改革について私なりに考えみました。

個人的には

労働を月単位ではなく年間単位で考える

というのが理想です。パティシエ業界は暇な時期と忙しい時期の差が激しいことが特徴的です。

この特徴を利用して

暇な時期は休みを多く取る・就業時間を短くする

逆に

繁忙期は休みが取れないことを承知して、お店の利益のみを追求する

ということが効率的のように思います。私はフランスで働いた経験があるのですが、フランスでは夏に1年分の利益を上げ、冬は全く働かないというお店もありました。もちろんこれをそのまま日本で真似することは難しいですが、参考にする部分はあると思います。

まとめ

パティシエの働き方改革の「長時間労働」について考えてみました。業界全体を見ると、数年前より労働時間については改善されていると感じています。

私自身も仕事を効率化して労働時間を短くできるよう努力しています。ただ、効率化しても給料が変わらないこと、職場環境によっては効率化によって残業代を稼げないという悩みもあるのではないか?と思います。

雇用主がパティシエの技量をしっかりと評価できる環境も必要であると思います。

私としては、業界全体が変わるには時間がかかると思い、副業に挑戦しました。このことについては別に記事に詳しく書いています↓

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