私はこの記事を書いている時点でパティシエ歴9年目です。製菓専門学校に1年通い、卒業後ホテルのパティシエから始まり、フランスのレストラン、帰国して大きなリゾートホテルのパティシエも経験してきました。
その経験の中でもパティシエになって1年目が最も辛い時期でした。この記事ではパティシエ1年目だった私が悩んだこと、苦しかったことについて書きたいと思います。
ホテルのパティシエは少人数
私が初めて働いたホテルは、調理スタッフが全体で60名以上いました。その調理スタッフが宴会調理・バイキングレストラン・フレンチ・イタリアン・和食などのセクションに振り分けられています。その中でパティシエは3名で、ホテル全体のケーキやデザートを作っていました。
当然1人の仕事の負荷は大きく、入社後すぐにたくさんの仕事を任されることになりました。任せてもらえることは嬉しかったのですが、ミスが多く、効率良く仕事ができないことは大きなストレスでした。
仕事を終えてからの練習
1年目はほぼ毎日、仕事を終えてから練習や勉強を重ね、コンテスト用の作品も制作していました。帰宅が深夜になることもあり、辛かったのですが仕事を早く覚えたい気持ちと、同じ学校を卒業した同期に負けたくない一心で続けていました。
人間関係の難しさ
パティシエに限らず、社会人1年目は人間関係に悩む方は多いと思います。私もホテル内の人の多さ、複雑な人間関係に悩むことがありました。
ただ、気の合う同年代の仲間も多く、お互いに相談したり愚痴を言いながらストレスを発散していました。
私がパティシエを続けられた理由
辛く、苦しい1年目でしたが、「パティシエとしてフランスで働きたい」という夢だけは忘れずにいました。
それに加えて、ホテルという環境も私としては大きなメリットでした。
- 練習したい時に練習できる環境
- 大量調理で基本的な技術を反復して実践できた
- 人間関係は難しいが、味方となってくれる人も多くいた
特に味方となってくれる人が多くいたことは、仕事を続ける上で大きかったです。毎日居残りで練習をしている姿を見て、応援してくれる方も多くいました。当時の私としては大きなモチベーションになっていたのを覚えています。
1年目はたくさん苦しむべき
表現は難しいですが、1年目にたくさん苦しんだからこそ2年目からは精神的にも技術的にも大きく成長することができました。
その後フランスで働くことを実現し、離職率高いパティシエの仕事を続けることができました。近年は「働き方改革」や「ブラック企業」という言葉が若いパティシエを育てるのを妨げているように感じます。
これからパティシエを目指す若者には、1年目は自分の時間を犠牲にしてでもパティシエの仕事に向き合って欲しいなと思います。

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