私はパティシエをしているので、毎年1月からバレンタインに向けてチョコレートギフトの準備をしています。ただ、幼少期からバレンタインと言えば、
「女の子が男の子にチョコレートをあげる日」と言う漠然とした情報しか知らないまま生きてきました。
パティシエという業界に入ってからは、なんとなく
- キリスト教関連の日
- バレンタインという人がいた
- チョコレートをあげるのはお菓子業界のマーケティング
というのはなんとなく知っていました。ただ、詳しく説明できるほどではなかったので、この機会にバレンタインについて詳しく調べてみました。
バレンタインの起源・由来
由来については諸説ありますが、詳しく説明すると、とっても難しくなってしまうので簡単にまとめてご紹介します。
「バレンタイン」というのは3世紀にローマで殉教したキリスト教の聖人の名前です。当時のローマ皇帝「クラウディウス2世」は若者同士の結婚を禁止していました。
しかしバレンタイン司祭は皇帝に背いて、密かに若者たちを結婚させていました。その後、皇帝にこのことがバレてしまい、処刑されてしまいます。この日が”2月14日”でした。
ただ、バレンタイン司祭が聖人となったのはさらに後のこと。
5世紀頃の同時期。当時行われていたお祭りの風紀を正すために、教皇がこのお祭りを聖人を奉る行事と改変しました。この時に行事の守護聖人とされたのが、バレンタイン司祭でした。
さらに時は進み、15世紀頃。キリスト教によって見直されたこの行事は、男性から女性への愛を綴った手紙を渡すことから始まり、現在では男女が愛する人にメッセージを伝える日となりました。
日本では、女性から男性へというイメージが強いですが、欧米では男女関係なく愛を伝える日とされています。
コードをコピーなぜチョコレートを送るのか?
ではなぜ日本では女性から男性へチョコレートをあげるようになったのか?
1930年代から日本のお菓子メーカーの間で、「バレンタインにはチョコレートにメッセージを添えて贈り物をする」というイメージ戦略は行われていたそうです。
ただ、当時はチョコレートは高級品でなかなか浸透せず、1970年代〜80年代になってから10代の若者を中心に「女子が男子にチョコレートをあげる日」として、定着しました。
お菓子・チョコレート業界の「女性から男性にチョコレートをあげる日」というイメージ戦略が当時の若い女性に上手くハマり、爆発的に流行して行ったのがきっかけのようです。
このイメージ戦略というのが、発展していって義理チョコや友チョコ、ホワイトデーなどに派生していきます。
ここが変だよ日本人
私もお菓子業界の人間ですが、今の日本はバレンタイン本来の意味を見失っている気がします。(ハロウィンもそうですが・・・)
私もホテルパティシエなので一応会社員なのですが、女性社員が作業的に買ってきたチョコレートを配る姿を見て
こういうことじゃないんだよなー
と少し残念な気持ちになります。そうさせてしまっている会社や社会の雰囲気があるのも分かりますが、ぜひもう一度バレンタインがどういう日なのか知って欲しいなと思います。
恋人でなくても・義理チョコであっても、友人やお世話になっている大切な人にメッセージを伝えるきっかけとなる素敵な日なので、ぜひ思いを乗せてプレゼントして欲しいと思います。
パティシエとしては、お菓子作りに挑戦する良い機会なので、男性も女性もお菓子作りにチャレンジして欲しいなと思います。
失敗したとしても、手作りには思いが込もりますよ!
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