パティシエとして働いていると、若者から
「パティシエになりたいのですが、接客もしなければいけませんか?」
という質問をされることがあります。
私もパティシエになる前に気になっていたことでした。
●パティシエの勉強だけしたい
●一人前になるのに遠回りな気がする
というのが、主な理由なのかなと思います。
私も接客が苦手だったので、表にあまり出ることのない「ホテルパティシエ」を選択したことのは良かったのかなと思います。
接客は勉強した方が良い

結論から言うと、「接客は勉強した方が良い」です。
その理由をご紹介します。
①社会人としてのマナーを学べる
まずは、接客をすることで社会人としてのマナーを学べるということ。
若者が最初にぶつかる壁はいくつかあるのですが、接客ではまず「言葉遣い」を学びます。
学生時代に「できている」と思っていた言葉遣いでも、接客では通用しないこともあります。言葉遣いに関しては社会人として「当たり前」にできることなので、苦手な方もしっかりと勉強しましょう。
②お客様のニーズが分かる
接客をしているとお客様から色々な質問や要望を受けることがあります。直接話すことはなくてもお客様の会話が聞こえることもあり、そこから
「お客様が何を求めているか?」
を知ることができます。もちろん全ての要望に答えることはできませんが、その後の自分のお菓子作りの参考になると思うので、できればメモしておくと良さそうです。
③箱詰めのイメージができる
ケーキ屋さんは接客と一緒にケーキの箱詰めまで担当します。
近年は大きさや形が複雑なケーキも増えていて、隙間なく箱詰めするには経験が必要です。
また、バランスの悪いケーキを作ってしまうと、箱に入れる際に崩れてしまったり、持ち帰りの間に壊れてしまう可能性もあります。
実際に箱詰めを経験することで、お客様が持ち帰ることまでイメージしてお菓子作りをすることができます。
接客は強制?
ケーキ屋さんでは、パティシエとして雇用しても初めの数ヶ月は「販売スタッフ」として働くことがあります。お店全体スタッフの人数が少なかったり、アルバイトやパートスタッフが多く働いていたりします。
繁忙期や緊急時にはパティシエも販売スタッフとして働ける準備が必要となるので、研修期間を設けるお店は多いと思います。
私はホテルパティシエとして入社しましたが、「新入社員研修」として、サービススタッフと同じ研修をしたり、ビジネスマナーを学ぶ期間がありました。
当時は「嫌だなー」と思いながら参加していましたが、社会人として
「絶対に知っておくべきこと」
を最初に学ぶことができたのは良かったと思います。
お店によってはパティシエと販売スタッフを完全に分けているお店もありますが、時間を見つけて「接客の勉強や手伝い」はした方が良いと思います。
接客の勉強法
接客についてはお店ごとに特徴は違うと思うので、基本的には「実践」で学ぶことになります。
ただ、個人の努力によってそのスキルは大きく変わってきます。より良い接客を学びたい方向けの本を3つご紹介します。
①丁寧を武器にする
兵庫県にあるケーキ屋さん「エス コヤマ」のオーナーシェフ小山進さんの著書です。
一流のパティシエになるために必要な心構えが書かれていて、接客や掃除の重要性も知ることができます。
若手パティシエの「人間力」の育成にも力を入れているシェフなので、とても勉強になると思います。
②「ありがとう」と言われる接客・販売の教科書
接客をしているとお客様からの「感謝の言葉」は、大きなモチベーションとなります。ケーキ屋さんだけでなく、他ジャンルの仕事の接客も学べるので、仕事の幅が広がります。
③接客1年生 お客さまに信頼される50のコツ
接客の基本が分かりやすくまとめられています。接客が苦手な方におすすめの本です。
まとめ
「パティシエも接客をすべきか?」というテーマでご紹介しました。
結論としては
「接客が苦手でも勉強はすべき」
となりました。
私も接客が苦手ですが、パティシエとして経験を積んでいくと「お客様の反応」が気になってきました。接客をすると新しいケーキのアイディアが浮かんできたり、気分転換にもなります。
その時に堂々と接客できるよう、最低限でも知識や経験は積んでおきましょう。
おすすめ記事はこちら⬇︎
コメントを残す