パティシエ1年目は何もかもが初めてで、つらく苦しいことばかりです。
パティシエ1年目の離職率は70%というデータもあるほどです。
そんな仕事を続けてきた私が
「パティシエ1年目にやっておいて良かった!」
と思ったことをご紹介します。
目次
毎日の予習・復習

どんな仕事でも基本中の基本ですが、やっていない人や、やったつもりになっているは多いです。
私も指導する立場になって、何人も後輩の指導をしてきましたが、仕事の予習・復習ができていないパティシエほど、すぐに辞めてしまう傾向がありました。
指導する立場になって分かりましたが、その後輩が
「本当に理解できているか?」
が、確認できるまでは仕事を任せることができません。もしくは、仕事を任せて、
「失敗しても、しっかりと反省ができる人」
であれば、経験のために仕事を任せます。
私は、予習・復習ができる後輩にはどんどん仕事を任せます。そしてどんどん失敗させます。
私自身がそうであったように、失敗から学ぶ経験は多いですし、新しい仕事をもらえることは仕事のモチベーションにもなります。
パティシエになりたてで、なかなか仕事で新しい仕事をもらえない人は、日々の仕事の反省と、今もらっている仕事や仕込みについてしっかりと理解できているか?をもう一度考えた方が良さそうです。
●具体的な復習方法
私は新しい仕事を教えてもらっている時に、先輩の言っている事をほぼ全てメモしていました。中には
「要点だけメモすれば良い」
と言う人もいますが私としては、1年目のパティシエに要点がわかるとは思えません。
これも指導する立場になって分かるのですが、教える立場としては
「仕事の流れ+効率+作り方」
を伝えているのですが、後輩のメモには「作り方」だけ書いてある。
ということが多々ありました。このギャップは指導する立場の人と、新人パティシエとの関係に亀裂を生む場合があるので、注意したいところです。
メモには出来るだけ多くのことをメモしておきましょう。
そしてそのメモを、仕事が終わった後に新しいノートに整理します。
整理していると、たくさんの疑問が浮かんできます。
・なぜこの順番で混ぜ合わせるのか?
・なぜこの材料は分けて計量するのか?
・なぜこの器具を使うのか?
などなど、最初は疑問だらけです。
疑問が浮かんだら、まず自分で考えてみます。私は主に2冊の本と専門学校時代のレシピを参考にしていました。
専門学校に行っていない方は、基本のレシピが載ったレシピ本を使うと良いと思います。
私が参考にした本はこちら⬇︎
基本のレシピ本はこちら⬇︎
本を読んでも完璧に理解できないことの方が多いです。ただ、勉強することによって頭の中には勉強した経験が残ります。
この経験が、次に同じお菓子を作った場合に活きてきます。絶対にそのお菓子に対する理解度が違ってきますし、復習した時に思っていた疑問が浮かび上がってきます。
そこで、自分で疑問が解決できない場合は、先輩に質問しましょう。
勉強している後輩の質問は、明らかに質が違うので
「この子はしっかり勉強しているな」
というのがすぐに分かります。
信頼感と新しい仕事、何より自分自身の成長に繋がるので、復習はしっかりとしましょう。
●具体的な予習方法

続いて予習の方法です。
私が最初に働いたお店では、次の日の仕込みが共有できるように、書き出されていました。私はその中から、次の日に教えてもらえそうな仕込みを勉強していました。
時には、先輩の方から
「明日はパウンドケーキの仕込みを教えるからね!」
と言われることもあったので、その時はそのお菓子を徹底的に勉強しました。
パウンドケーキの名前の由来から基本的な材料、作り方には「シュガーバッタ方法」と「フラワーバッタ法」がある。
などなど、ちょっとした雑学まで勉強。
予習をしていると、メモをしながら復習ができますし、自分の勉強した作り方との違いが見えてきます。
これが「仕事の流れ+効率」の部分になります。さらにそのお店の「こだわりや特徴」も含まれています。
プロのパティシエにとっては「作り方」を知っていることは大前提。
「仕事の流れや効率の良さ、お店のこだわりや特徴」
の部分が大事になってくるので、予習はしっかりとしておきましょう。
マジパン細工
私は1年目からマジパン細工に取り組んでいました。
実際に取り組んでいた期間は、「ジャパンケーキショー」のある10月の3ヶ月前から。
1年目〜3年目までは「ジュニア部門」なので、そちらへの出品を目標としていました。
このマジパン細工については、とくに強制ではなかったのですが、単純に持っていて損はない技術だと思ったので、挑戦しました。
マジパン細工に取り組むメリット
マジパン細工を練習すると仕事にも良い影響があります。
●段取りを組む力が身に付く
●色彩感覚が養われる
●綺麗に仕事をする意識が付く
プロのパティシエにとって
「自分の作業する周りのスペースは常に綺麗に保っておく」
というのは基本であり、衛生面・異物混入を防ぐためにも非常に大事なことになります。
マジパン細工をしていて作業する場所が汚れていたり、異物が落ちているとすぐにマジパンに混ざるこんで汚れてしまいます。
常に周りを綺麗に保つ意識付けマジパンは最適です。
●段取りを組む力が身に付く
プロのパティシエは、複数のお菓子を同時進行で作ったり、違う作業を同時に進行することが多いです。
マジパン細工では、「パーツを乾燥させて固める」という作業と「固まったパーツを接着する・組み合わせる」という作業の繰り返しです。
どのパーツから作れば効率よく組み立てることができるかをイメージできなければ、作業を進めることができません。
この「段取りを組む」というのは、パティシエとしてキャリアアップしていく上でとても重要な能力となります。
●色彩感覚が養われる
マジパンでは土台やパーツの色まで自分で決めて組み合わせて行きます。
私はこの「色の組み合わせ」が当時とても苦手でした。
実際に1年目の作品の感想を先輩方に聞くと、「全体的に色が暗い」、「色が短調で全体がぼんやりして見える」という意見が多かったです。
正直この経験がとても悔しかったので、その後のマジパン細工やケーキ作りでは、「色彩感覚」を意識して取り組むようになりました。
今では、ケーキやレストランデザートで「色の組み合わせ」や「インパクト」について自信を持って仕事をすることができています。
マジパン細工では、「自分の色彩感覚」や「色使いの特徴」がモロに現れるので、課題が見えやすいです。
その他の細工でも同様の効果
私はマジパン細工に取り組みましたが、その他の「飴細工」や「バタークリームケーキ」でも、コンテストに向けて取り組むことは、パティシエとして大きく成長させてくれます。
「参加するだけでは意味がない」
という方もいますが、1年目〜3年目までのジュニアの期間で、作品作りに取り組むことは大きな経験となるので
「挑戦した方が良い」
と思います。
全体のまとめ
私がパティシエ1年目に取り組んでいて良かったこととして、
・【毎日の予習・復習】
・【マジパン細工(コンテスト)に取り組む】
ということをご紹介しました。
もちろん職場によって新人パティシエの育成の仕方、コンテストへの取り組み方は違うので、臨機応変に対応して欲しいと思います。
もし努力して結果が出なかったとしても、継続はやめないで欲しいと思います。
私は
「今の努力が結果として現れるのは、最速でも3ヶ月後」
というのを意識して仕事を続けてきました。これはどの職場や仕事でも当てはらると思うので、心が折れそうになっても、まずは3ヶ月というのを意識して頑張って欲しいなと思います。
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